NOZOMI PAPER®︎

NOZOMI PAPER®は
宮城県南三陸の
のぞみ福祉作業所からはじまった
福祉施設でつくられる手漉きの
アップサイクルペーパーです。

福祉とデザインが出会って生まれた手漉き紙

宮城県南三陸町にある、生活介護事業所『のぞみ福祉作業所』。

こちらの施設では元々、メカブのタレを入れたり、パックにシールを貼ったり、トロ箱を組み立てたりという軽作業を請け負っていました。しかし2011年3月に起きた東日本大震災で、津波によって施設が流されるという深刻な被害を受けてしまいます。

震災復興の一環で支援者から紙漉きの機械一式が寄贈されたことをきっかけに、のぞみ福祉作業所は牛乳パックを使った手漉き紙の制作・販売をスタート。そこに「福祉とあそぶ」をテーマに活動する、前川雄一さんと前川亜希子さんによるデザインユニット『HUMORABO(ユーモラボ)』が協働チームとして加わって生まれたのが、手作業ならではの不揃いなカタチやワイルドな“耳”を活かした「NOZOMI PAPER®︎」です。

2015年から『NOZOMI PAPER Factory』として協働を開始しました。

紙の画像

原料は地元・宮城県を中心に集まる廃材

「NOZOMI PAPER®︎」の原料は、近隣地域や全国から届く牛乳パックをはじめ、宮城県の地方紙『河北新報』の古新聞、南三陸町にあるカフェの珈琲豆、仙台市内のお祭りで使われた七夕飾りといった、地元・宮城県で生じる廃材が中心。
施設に集まった廃材をまず、利用者全員で“原料”に変えていきます。金具などが付いている場合は手作業ですべて取り除いた後、紙を細かくしていきます。手漉きならではの味わいを出すために、シュレッダーで均一に断裁するのではなく、利用者さんたちの手であえて不揃いにちぎった紙を水に溶かし、ようやく原料が完成。とても手間のかかる作業です。
原料を木枠で漉き込み、脱水し、板に紙を固定して、乾燥させて…と、手漉き紙が出来上がるまでにはたくさんの工程があります。それも、のぞみ福祉作業所が手漉き紙づくりを行う理由の一つ。さまざまな工程があることは、利用者さんの“関わりしろ”が広いということ。一人ひとりの得意なことや「やってみたい」という気持ちに合った作業をしてもらえる利点があります。

手漉き紙を通じて広がる、地域との繋がり

NOZOMI PAPER Factoryが目指しているのは、利用者さんたちの制作と創作を通じて、福祉と社会の接点をつくること。
のぞみ福祉作業所の利用者さんたちが制作したアート作品展の会場となったことをきっかけに、古い新聞紙や飲用に向かない珈琲豆を提供するようになった『雑貨と珈琲の店 サタケ』。新聞屋とカフェを営むこの店では、店内雑貨コーナーで「NOZOMI PAPER®︎」を取り扱っています。
店主の佐藤さんは「通常は廃棄される欠点豆が素敵な紙に生まれ変わって、自分のお店に戻ってくる。するとこの場で、『NOZOMI PAPER®︎』を手に取ったお客さまとのコミュニケーションが新たに生まれるんです」と、NOZOMI PAPER Factoryと地域の繋がりが着実に広がっていることを教えてくれました。

施設利用者の希望に合わせて作業を任せる

NOZOMI PAPER Factoryでは毎日、利用者さんたちの希望を聞いて各工程の担当者を決めています。作業中の利用者さんたちに話を聞くと、「(その日にする作業を)選べるほうがうれしい」「自分に向いている作業をやっていると楽しい」と笑顔で答えてくれました。
「NOZOMI PAPER®︎」の立ち上げ当初から携わっている職員の田中青志さんは、紙漉き事業を12年間続ける中で、施設側にも利用者側にもたくさんの良い変化や気付きがあったといいます。
震災前は利用者さんたちが楽しく前向きに作業することよりも、地元企業から託されたノルマを達成することが優先され、施設には閉鎖的な雰囲気が漂っていたそうです。しかし手漉き紙づくりを始めてからは、利用者さん一人ひとりのペースや気持ちに合わせた支援に力を入れることができるようになり、皆の表情がやわらかくなったといいます。
田中さんは「足が不自由な利用者さんには漉き込みや脱水の作業は難しいと思っていましたが、実際にチャレンジしてもらったら座ったままでも問題なくできたんです。支援する側が固定概念に当てはめて考えてはいけないと日々気付かせてもらっています。意欲的に参加でき、自分たちの作った紙が多くの方々に喜んでいただけることが、やりがいや生きがいに繋がっている。そして、いろんな作業を経験することが身体的な機能訓練にもなるため、『NOZOMI PAPER®︎』を通して利用者さんたちの可能性が広がっていることを実感しています」と話します。
取材時も利用者さん同士、また利用者さんと職員さんとが和やかにコミュニケーションを取りながら、真剣なまなざしと慣れた手つきで作業していたのが印象的でした。利用者さんも職員さんも初対面の訪問者を気さくに迎え入れ、紙漉きについて親切に教えてくださり、閉鎖的だったという昔の雰囲気が想像できないほどオープンな施設だと感じました。

「NOZOMIPAPER®︎」をより多くの人に届けたい

NOZOMI PAPER Factoryの活動を、もっと多くの人に知ってもらいたい。「NOZOMI PAPER®︎」を、もっと多くの人に届けたい。そんな想いから「めぐる、手漉き紙。」でも「NOZOMI PAPER®︎」の商品を取り扱うことになりました。現在3種類のラインアップをご用意しています。
備後地域の廃材を使った「めぐる、手漉き紙。」とはまた異なる、東北・南三陸発の「NOZOMI PAPER®︎」。ぜひ手に取っていただき、福祉と地域のしあわせな関係、資源が“ワクワク”とともにめぐる循環型社会について考えるきっかけになると嬉しいです。

MILK

【素 材】新聞紙+古紙
【厚 さ】0.6 - 0.8mm
【紙漉き】のぞみ福祉作業所

南三陸町にある新聞屋さん兼カフェ『雑貨と珈琲の店 サタケ』さんから提供していただく、宮城県の地方紙『河北新報』の古新聞を100%使用。
新聞紙は繊維が細かいため、シュレッダーなどで細かく断裁しすぎすると漉いた際にまとまりにくくなってしまいます。そのため漉き込みやすく、手漉き紙ならではの風合いが出せるよう、すべて人の手でちぎって原料を作ります。
薄めの仕上がりと、ふわふわした“耳”(紙の端)が特徴。やわらかなグレー地に黒色や赤色、青色といった粒々があり、地域のさまざまなコト・人・モノを報じた紙面の名残が見てとれます

NEWS

【素 材】新聞紙+古紙
【厚 さ】0.6 - 0.8mm
【紙漉き】のぞみ福祉作業所

南三陸町にある新聞屋さん兼カフェ『雑貨と珈琲の店 サタケ』さんから提供していただく、宮城県の地方紙『河北新報』の古新聞を100%使用。
新聞紙は繊維が細かいため、シュレッダーなどで細かく断裁しすぎすると漉いた際にまとまりにくくなってしまいます。そのため漉き込みやすく、手漉き紙ならではの風合いが出せるよう、すべて人の手でちぎって原料を作ります。
薄めの仕上がりと、ふわふわした“耳”(紙の端)が特徴。やわらかなグレー地に黒色や赤色、青色といった粒々があり、地域のさまざまなコト・人・モノを報じた紙面の名残が見てとれます

COFFEE

【素 材】珈琲のデガラシ+古紙
【厚 さ】0.6 - 0.8mm
【紙漉き】のぞみ福祉作業所

おいしい珈琲を淹れるために、ハンドピックでていねいに選別された珈琲豆。〈COFFEE〉は、飲用に適さない豆を染料に使った紙です。
選別豆をくださるのは、〈NEWS〉と同じく『雑貨と珈琲の店 サタケ』さん。お店で自家焙煎珈琲を提供しているサタケさんは、「NOZOMI PAPER®︎」に使う生豆もしっかり焙煎してから届けてくれます。
そんな「NOZOMI PAPER®︎」専用の“染める豆”を利用者さんたちが手動ミルで挽くと、工房内はこうばしい香りでいっぱいに! 挽いた粉を煮出してできた染液で、紙パックが原料の〈MILK〉を染めています。
染め上がりはさながらカフェオレのような、淡く上品な茶色。〈MILK〉がベースなので、ふっくらとした厚みが特徴です。